借金返済あれこれ

借金返済には色んな形があります。返済方法だって色々。そんな借金返済事情を見てみましょう

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借金返済に向けて現状を会話する

借金返済を言い出すとき

借金返済に困っていた事を言い出すのには勇気がいるが借金返済がどうにもならなくなってしまったので

私は夫に秘密で借金をしていたことを、話した。テーブルの上には、ビールとコーヒー。夫がアルコールで、私がカフェインだ。きっと夫の味わうビールは、いつもよりも苦いものになると思う。私だって出来れば借金返済だなんて話は、したくない。考えたくもないのだから。それに仕事を終えた後のお酒を、この人がどれだけ楽しみにしているかは、知っている。実に庶民的な、絵に描いたかのような些細な娯楽。そのくらい、ゆっくりと楽しませてあげたい。けれど、話さないわけには行かない。黙っていても借金は無くならないし、返済日も延期にはならない。だから私はぽつりぽつりと、言葉を紡いでいった。

 それなりに落ち着いて、私は借金返済の話をできたと思う。あるいは、開き直っていたのか。夫の目に、私はどう映っただろうか?私は怖くて、視線をテーブルの上に固定したままだ。顔を上げられない。上げれば、手が飛んでくるだろうか? そんな不安すら湧き上がる。結婚前も後も、夫は私をぶったことすらない人だけれど、今回ばかりは借金返済の救済だけに無理があるかな。沈黙が続いた。やがて、夫がゆっくりと言葉を紡いだ。

 「返済すべき借金があることは分かった」「うん」「とりあえず謝罪の言葉が来たことに、ほっとしている」「えっと……どういうこと?」「借金と聞いて、まずこっちの稼ぎについて糾弾されるかと思ったからな」「そ、そんなこと……」考えなかった訳じゃない。もっと給料が多ければ借金返済が出きるのにと、そう何度も思った。「まぁ、借金は俺のせいだと言われたら、さすがに俺もブチキレただろうな」それはそうだろう。今までの借金を秘密にしてきたことが手に負えなくなったからと言って、自棄になって『私が借金をしたそもそもの原因は、貴方にあるのよ!』などと言えば家庭崩壊だ。いや、今現在も借金返済の事で家庭崩壊の危機にはあるのだけれど。

 この人にとって一番簡単な借金返済の解決法は、きっと離婚じゃないかしら?実際にどうかは知らないけれど、夫婦の縁が切れれば、借金は私だけで返済しなければならないようなイメージが湧く。「その・・・離婚とか、考えてる?」「今はまだ。正直、感情が追いつかん。借金がまずい状況だと言うのは理解した。返済が滞っている事も。

 でも、借金返済の事で怒れる気分じゃない。アレだ。実感が湧かないんだな。俺が借金したわけでもないし借金苦も味わっていないしね」夫はそう言って、ビールをあおった。炭酸はもう、すっかり抜けているようだった。「まぁ、借金相談はプロに任せよう。借金返済の具体的な方法とかな」「裁判とか、弁護士に相談するの?お金、ないのに」それこそ、借金をしなければならないほどの高額な報酬を要求されるのではないだろうか?現状で借金返済に困っているのに、さらに借金をすることになったら、もう返済は完全に不可能なのでは?私の中にある弁護士と言う職業のイメージは、そんな感じのものだった。夫は不安げな私に対し、苦笑混じりに「大丈夫」と言った。そして私が再度「ごめんなさい」と言うと、夫は「こちらこそ」と言った。安月給なこと。伴侶の悩みに気づかない鈍感さ。それについて「ごめんな」と言われた。なじられたり、殴られたりする方が、よほど楽なこともある。きっと、ある。実際、隠れて借金して借金地獄になっていた時より苦しい感じだ悪いのは、こんな風に追い込まれたのは、借金をしたのは、私なのに。謝られてしまった。私は何も言えなくなって、その夜はただ目尻に涙を溜めた。私は、責められたかったのだろう。きっと。だって借金返済生活が待っているが分かっていたから。その夜は、静かに更けていった。

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